店舗の移転や閉店を決断し、いざ解体業者に見積もりを取ろうとした時。ビル側から「解体(原状回復)はこちらの指定業者で行います。費用は200万円です」と一方的な請求書を渡されて顔面蒼白になる……。これも店舗業界で後を絶たないトラブルの一つです。
一言で言うと、これはビルオーナーが指定する業者しか工事ができない「B工事(指定業者工事)」という制度を悪用した、実質的なボッタクリ価格(マージン上乗せ)です。
本記事では、建築防衛パートナーとして日々多くの見積もりを適正化しているプロの目線から、退去時に立ちはだかる「B工事の罠」と、その高額な見積もりを劇的に下げるための防衛策を解説します。
なぜ原状回復工事は「相場の2倍以上」になるのか?
テナント工事における「ABC工事」のルール
商業ビルやテナントの工事には、大きく分けて3つの区分があります。
・A工事:ビル側の負担で、ビル側が手配する工事(共用部など)
・B工事:借主(あなた)の負担だが、業者はビル側が指定する工事(空調、分電盤、防水など)
・C工事:借主(あなた)の負担で、業種も自由に選べる工事(内装デザインなど)
退去時の「原状回復(スケルトン戻し)」は、多くの場合この「B工事」に指定されています。
「指定業者(B工事)」の絶対的な殿様商売
B工事に指定されているということは、「相見積もり」を取って安い業者を探すことができないという事です。業者は「どうせ他社には頼めない」と分かっているため、通常の解体費用の相場に、管理会社の中間マージンや業者の特大利益をたっぷり上乗せした「言い値」の見積もりを出してきます。
これが、一般的な解体相場が80万円の広さでも、平気で200万円の請求が来るカラクリです。
高額な原状回復費用を防ぐ2つの防衛策
このボッタクリ状態を防ぐには、入居前と退去時の2つのタイミングで打つべき手があります。
【入居前】契約時に「C工事」に変更できないか交渉する
これから物件を借りる方は、賃貸借契約を結ぶ前に必ず「原状回復はC工事(借主側で業者の指定可)にできませんか?」と交渉してください。
契約前であれば、ビル側も空きテナントを埋めたいため、条件を飲んでくれる確率が高いです。これだけで将来の退去費用が半額以下になります。
【退去時】プロの「見積もり査定(セカンドオピニオン)」を入れる
すでに契約済みで、高額なB工事の見積もりを出されてしまった方は、決してそのままサインしないでください。プロの建築コンサルタントを間に挟み、「適正価格の査定」を行うことで大幅な減額交渉が可能です。
「この足場代は不要ですよね」「この単価は相場の3倍ですが、根拠は何ですか?」とプロの専門用語で論理的に突っ込まれると、指定業者側も反論できず、結果として数十万円〜百万円単位で適正価格まで下がるケースが多々あります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 素人が自分で管理会社に「高すぎるから安くして」と交渉しても大丈夫ですか?
A. 結論から言うと、ほとんど相手にされず失敗します。
理由は、感情論で「高い」と言っても、向こうは「これがビルの指定基準です。安全確保のためです」と専門用語で丸め込んでくるからです。減額には、他社の見積もりデータや建築基準に基づいた「論理的な反証」が必須です。必ずプロに査定を依頼してください。
Q2. 原状回復をせずに「居抜き」として次の人に売ることはできますか?
A. 大家さん(ビルオーナー)の許可が下りれば可能です。
「造作譲渡(ぞうさくじょうと)」と呼ばれる方法です。これが成功すれば原状回復工事費は0円になりますが、ビル側は「原状回復のB工事でマージンを抜きたい」と考えている場合も多く、許可取りにはやはりプロの交渉サポートを入れるのが確実です。
まずはお気軽に無料セカンドオピニオンをご活用ください
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建築・リフォームの見積もり金額に少しでも不安を感じたら、そのまま契約せずに一度プロの目線を通すことをおすすめします。
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