【プロが解説】内装工事の「分離発注(施主支給)」は本当に安い?メリットと見えない3つの大リスク

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【プロが解説】内装工事の「分離発注(施主支給)」は本当に安い?メリットと見えない3つの大リスク

店舗やオフィスの内装費を少しでも安く抑えるために、「エアコンはネットで安く買って支給する」「壁紙専門の職人を自分で手配する」といった『施主支給』や『分離発注』を検討する方が増えています。確かに表面上の金額は安く見えますが、建築のプロから見ると、これは「最も失敗しやすい危険なコストダウン手法」の一つです。その理由を詳しく解説します。

一言で言うと:分離発注は「現場の責任の所在」を不明確にし、トラブル時に誰も保証してくれなくなる諸刃の剣です。

分離発注や施主支給最大のメリットは「業者の中間マージンをカットできること」です。しかし、それ以上に以下の3つのリスクが極めて高く、最終的に高くつくケースが後を絶ちません。

リスク1:責任のなすりつけ合い(トラブル時の保証なし)

例えば、施主がネットで買ったエアコンから水漏れが発生し、内装の壁紙がダメになったとします。この時、エアコン取付業者は「機械の初期不良だ」と言い、機械メーカーは「取付業者の施工ミスだ」と言い、内装業者は「うちの責任ではないので壁紙の張り替えは有償です」と言います。すべてを一括発注していれば、元請け業者が無償で対応すべき問題ですが、分離発注では「施主自身」が責任を被ることになります。

リスク2:工程管理の崩壊(オープン遅延)

建築現場は「大工が終わったら、壁紙屋が入り、その後に電気屋が入る」というミリ単位のスケジュールで動いています。施主が手配した業者が1日でも遅刻したり、段取りを間違えたりすると、その後のすべての業者のスケジュールが狂います。結果としてオープン日が遅れ、家賃だけが流出する大損害に繋がります。

リスク3:実はそこまで安くない(隠れ管理費)

内装業者の見積もりには「現場管理費」という項目があります。施主が別の業者を入れる場合、元請けの内装業者は「知らない業者が入るなら、現場の調整や確認の手間が増える」として、管理費を通常よりも高く設定することがあります。結果的に、部材を安く買ったつもりが、トータルコストは全く変わらなかったということがよく起こります。

よくあるご質問(Q&A)

Q. どうしても施主支給したいお気に入りの照明器具があるのですが。
A. 照明器具などの「コンセントに挿すだけ」「引っ掛けるだけ」の単純なアイテムであれば施主支給でもリスクは低いです。ただし、配管や配線が絡む設備(エアコン、水回り機器など)の分離発注は絶対に避けるべきです。

Q. 最も安全にコストを下げる方法は何ですか?
A. 施主自身がバラバラに手配するのではなく、プロ(元請け)に一括発注した上で、見積もりの無駄や重複項目をプロの目で削ぎ落とす「見積もりの適正化(セカンドオピニオン)」が最も確実で安全なコストダウン手法です。


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