「店舗の内装工事を考えているのですが、坪単価いくらくらいですか?」
私たち建築防衛パートナー(セカンドオピニオン)には、出店を控えたオーナー様からこのようなご質問が毎日のように寄せられます。
結論から申し上げますと、店舗内装の予算を「坪単価」だけで計算するのは非常に危険です。なぜなら、坪単価というどんぶり勘定に頼ることで、数百万単位の予算オーバーを引き起こしたり、悪徳業者の「安見せトリック」に引っかかったりするケースが後を絶たないからです。
この記事では、なぜ坪単価で内装費用を判断してはいけないのか、その3つの決定的な理由と、適正価格を見抜くための正しい考え方をプロの視点から解説します。
一言で言うと:坪単価には「設備の偏り」「スケールメリット」「業者の利益操作」が隠されているため、実態の金額と大きくズレるからです。
理由1:業種や物件の状態で「設備費用」が全く違うから
坪単価が当てにならない最大の理由は、同じ広さのスケルトン物件であっても、業種によって必要な設備投資額が天と地ほど違うからです。
- 重飲食(焼肉、ラーメン等):強力な厨房排気設備、グリストラップ、大容量のガス・電気工事が必要。坪単価は高騰しやすい(例:坪80万〜120万円)。
- 軽飲食(カフェ等):ガスや排気設備が比較的軽度で済むため、重飲食よりは安価(例:坪50万〜80万円)。
- 物販・アパレル:水回りの工事が最小限で済むため、内装(壁紙や床材)にこだわっても設備費が抑えられる(例:坪30万〜60万円)。
さらに、物件が「スケルトン」か「居抜き」か、あるいは残置物の状態によっても費用は変動します。これらを無視して「飲食店の内装は坪60万円くらい」というネットの情報を鵜呑みにすると、後から致命的な予算不足に陥ります。
理由2:「スケールメリット(面積の罠)」を見落としているから
坪単価という数字のマジックの一つに、「面積が狭いほど坪単価は割高になる」という絶対的な法則があります。
例えば、10坪の小さなカフェと、30坪の中型カフェがあったとします。面積は3倍違いますが、必要な「トイレの数」「厨房設備のベース」などは3倍にはなりません。つまり、小さな物件ほど総工費に対する設備費の割合が重くのしかかるため、坪単価で割ると異常に高く見えてしまうのです。
- 10坪のカフェ:総工費600万円(坪単価60万円)
- 30坪のカフェ:総工費1200万円(坪単価40万円)
このように、小さな店舗を出そうとしているオーナー様が「一般的な坪単価相場」で予算を組むと、確実に資金ショートを起こします。
理由3:悪徳業者が「安く見せるための罠」に使うから
最後に最も注意すべき点です。相見積もりを取った際、意図的に「坪単価を極端に安く提示する」内装業者が存在します。
彼らはどうやって安く見せているのでしょうか?答えは簡単です。「絶対に必要な工事を、意図的に坪単価の計算から除外している」のです。例えば、看板工事費、空調機器の本体代、設計デザイン費、さらには産業廃棄物処理費などを「別途見積もり」として隠しておき、パッと見の坪単価だけを安く見せかけます。
契約後に「これは坪単価には含まれていません」と追加請求の嵐になり、結果的に相場よりもはるかに高い金額を支払わされることになります。
よくある質問(Q&A)
Q. では、どうやって予算を立てればいいですか?
A. 坪単価ではなく、「必要な工事ごとの積み上げ(項目別)」で予算を組むのが正解です。
仮装内装費(壁・床・天井)、設備工事費(電気・給排水・空調)、造作家具費など、項目ごとに概算を出すことで、正確な予算が把握できます。
Q. 業者から出された見積もりが適正か不安です。
A. 「見積もり内訳書」を提出させ、他社(第三者)と比較診断することが最も確実な防衛策です。
一式見積もりや、内訳が不明瞭な見積もりを出してくる業者はその時点で警戒すべきです。
まずはお気軽に無料セカンドオピニオンをご活用ください
株式会社イーリンクスでは、第三者の立場で適正価格をジャッジする「セカンドオピニオン(机上診断)」を無料で実施しております。
建築・リフォームの見積もり金額に少しでも不安を感じたら、そのまま契約せずに一度プロの目線を通すことをおすすめします。
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